1人暮らしをするかどうかは20代にとって大きな分岐点です。1人暮らしは自由な反面、家事や家計を全て1人で行う必要があります。
今回は
- 1人暮らしか実家暮らしか迷っている…
- 1人暮らしをしている20代がどの程度いるのか知りたい
- 何となく実家暮らしは恥ずかしい…
と考えている20代の方に向け「1人暮らしをしている20代の割合」を徹底調査しました。
私は1人暮らし、実家暮らし両方経験しました
20代の1人暮らしの割合は?
1人暮らしをしている20代の割合を調査した結果、おおよそ20代のうち約3割の人が1人暮らしをしていることが分かりました。
残りの7割は実家暮らしか、すでに家庭を築き自身の家を持っているのではないかと推測されます。 以下では上記の結果に至った参考資料を紹介します。
しらべぇ編集部による調査
株式会社NEWSYが運営するニュースサイト「Sirabee(しらべぇ)」は2019年に全国20~60代の男女1,589人を対象に、現在1人暮らしをしている人の割合を調査しています。
結果として、全体の「23.1%」が1人暮らしをしていると回答しています。
そのうち20代のみで見てみると『男:36.6%』『女:30.6%』となっており、調査対象の全年代の中で最も高い割合となっています。
出典:「しらべぇ」ニュースサイトより筆者作成
全国宅地建物取引業保証協会による調査
少し古いデータにはなりますが、全国宅地建物取引業保証協会は「一人暮らしに関する意識調査」として20代の住居形態を明らかにしています。
この調査では20代を「20代前半」「20代後半」の二つに区分していますが、ここでは両方を合わせた395名分の調査結果を反映しました。
意外にも自立の象徴とも言える持ち家の所持が20.7%もいるのが驚きましたが、基本的には賃貸マンション、アパートで合計約5割、実家暮らしが2割となっています。
この調査結果からイメージできることとして、
- すでに住宅を購入し、家庭を築いている20代が約3割
- 実家暮らしをしている20代が約2割
- 賃貸で1人暮らしまたは同棲、ルームシェア等をしている20代が約5割
と言えるのではないでしょうか。とはいえ、10年前のデータになるため晩婚化や少子高齢化が進む現代ではこの数値も変わってくるかと思われます。
令和2年国勢調査
続いて、総務省統計局が行った「令和2年国勢調査」を見てみましょう。
国勢調査では年齢区分が10代、20代という区分ではなく15~24歳、25~34歳という年齢区分になっています。
10代前半と30代前半が入ってくるため明確に20代であるとは言えませんが、参考までに「単身世帯(1人暮らし)」の割合を見ることができます。
- 15~24歳における単身世帯の割合は18.5%
- 25~34歳における単身世帯の割合は28.8%
となっています。ちなみに25~34歳では他の世代よりも10%程度、単身世帯の割合が多くなっています。
この年代あたりから自立して1人暮らしを始める人が多いのかもしれませんね。こちらからも1人暮らしは約3割であると言えます。
国立社会保障・人口問題研究所による調査
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」では、2015年に行われた国勢調査から2040年までの独居率(一人暮らし率)を推定しています。
20年後の1人暮らし割合が分かるということですね。
この調査では20代を「20~24歳」「25~29歳」の二つの区分に分けています。
20代のうち約3割が単身世帯であり、推測上は今後20年間この数値が大きく変わることはなさそうです。
その理由として、近年の晩婚化に伴って未婚でいる人の割合が高いことが予想されています。
1人暮らしはするべき?しなくてもいい?
気になるのは「1人暮らしをするべきかどうか?」ですよね。
先ほどの全国宅地建物取引業保証協会が20~60代の男女1291名に行った「一人暮らしに関する意識調査」によれば、若年層(10代後半から20代前半)の1人暮らしに『賛成』が87.8%、『反対』が12.2%という結果になっています。
賛成・反対の理由は以下の通りです。
- 自立心が高まる(68.0%)
- 社会性を身に付ける(24.3%)
- 自由になれる(6.0%)
- 経済的に無理(45.9%)
- 未熟(15.9%)
- 必要がない(14.0%)
出典:全国宅地建物取引業保証協会「一人暮らしに関する意識調査」
世論としては「1人暮らしはした方が良い」という意見のようです。
1人暮らし・実家暮らし両方経験した身からすると…
私自身も1人暮らしの経験があり、大学時代は3年間1人暮らしをしていました。大学卒業後の現在は実家暮らしをしております。
両方経験した私の意見を述べさせて頂くと「1人暮らしをしたことがないのであれば、した方がいい」です。
その理由は主に3つです。
- 実家のありがたみが分かる
- 自分が生活費に使う金銭感覚が分かる
- 自分なりに生活の知恵を導き出そうとする
1人暮らしは「面倒」と「自由」を天秤にかけます…
実家のありがたみが分かる
生まれてから高校生ぐらいまでは余程のことがなければ、ほとんどの人が実家暮らしをしているかと思います。
そうなると実家で出てくるご飯や綺麗に畳まれている洗濯物は「当たり前」になっています。日頃から家事を手伝う人であれば、1人暮らしをしていても辛くないかもしれません。
しかし、家事を親に任せっきりにしてきた人にとって、初めての1人暮らしは「自由」もありつつ「面倒なこと」もたくさんあります。
例えば、「食事」。最初は自炊をして頑張ろう!とするのですが、食材買ってきて、作って、食べて、食器洗って、食器拭いて、また数時間後には同じことをするのかと思ったら「なんか1日1食でいいや…」と思ってしまいます。
とはいえ、美味しいものは食べたいので外食に行ったり、スーパーで惣菜を買ってくることはあり、なんやかんやでそれが一番楽になってしまいます。
この経験をした後に実家に戻ってくると、食事が出てくることや服が畳まれてあることに感動します。
感動は少し言いすぎかもしれませんが、その行為が人によって行われたものであることを認識し、自分も何か手伝わなければと思うようになります。 1人暮らしをする前の自分は
- 携帯代の支払いやお金関係は両親に任せっきり
- 食べたいものは?と聞かれても「何でもいい」と答える
- 食べた後の皿は片づけるが洗わない
上記を当たり前としていましたが、1人暮らしを経た今では
- 使ったお金は家計簿に記録し、出費と収入、毎月の全財産を記録
- 食べた後の皿は洗っておく
- 時間がある時はご飯を作るのを手伝う
- 毎朝ベッドメイキングを行う
など生活力に磨きがかかりました。今では、母親に家計簿の簡単な付け方を教え、家計管理にも一役買っています。
自分が生活費に使う金額を把握できる
1人暮らしを経験することによって、自分1人が1か月生活するために何にどれくらいのお金がかかるのかを実際に経験することができます。
遊びのために使っていたお金(娯楽費)や欲しいものを買うお金(雑費)だけでなく、水道代や光熱費、家賃など毎月かかる固定費も「請求書」と共に知ることになります。
今までは両親が当たり前に払っていた費用ですので、あまり意識してこなかった費用項目かもしれませんが、この固定費で収入の半分以上は持っていかれます。
例えば、私は東北の寒い地域で1人暮らしをしていましたので冬の光熱費はどうしても1万以上かかります。夏は夏でクーラーをかけますが、それでも冬の光熱費の方が割高であることに気づきました。
このように自分で自分の生活費を払うことによって、実家暮らしでは見えてこなかった固定費用がはっきりと見えてくるようになります。
これに加えて雑費や娯楽費、教育費などの変動費(月々で金額が変化する費用)もかかります。
そうなると「自分は周りと比べて生活費にどのくらい使っているのか?」「使いすぎてはいないだろうか?」など自分自身の家計に興味を持ち始めます。
この「自分のことは自分で責任を持つ」ということが自立の1歩に繋がります。
自分なりに生活の知恵を導き出そうとする
うまく家計管理ができないと月末あたりに「今月ちょっと使いすぎたかな…」とか「あと1万で半月過ごさなきゃいけない!」なんてこともあるかもしれません。
これが実家なら自分にお金があろうがなかろうが、ちゃんとご飯が用意されているし、お風呂も毎日入れるし、暑かったり寒かったりしてもクーラーかけ放題です。
ところが1人暮らしはそういう訳にはいきません。限りあるお金のなかで何かお腹に入れてあげる必要がありますし、余計な物にお金は使えません。
そこで「まかないの出る飲食店でアルバイトをする」「安くて料理の手間がかからない冷凍うどん」など自分なりに知恵を働かせるようになります。
※私の経験談です。
大変そうに感じるかもしれませんが、その引き換えに得られる「自由」はまた格別です。
まとめ
1人暮らしをしている20代は大体約3割程度だということが分かりました。
1人暮らしは「全て自己責任」ではありますが、その反面「自由」を手に入れることができます。1人暮らしを今までしたことがない人であれば、人生の経験として1人暮らしをすることはオススメです。
しかし、将来の貯蓄や資産を形成したい方は実家暮らしの方が出費を抑えることができるため、一長一短を考えて自分の意思で判断したいですね。