- パチプロの考え方が投資でも活かせないか?
- パチンコやスロットの知識が今後何の役に立つのだろうか…
- 期待値ばっかり追ってきた自分の良いところって…
パチプロなんてただのギャンブラーでしょ?
違います。パチプロとして飯を食ってる人もいます。
実は本記事を書いてる私もかつてパチプロをしていた時代がありました。
毎日期待値を追い、回りの゙良い台を1日中売ったり、天井近い台をハイエナしたり…
稼げていた時は月20万円ほどのプラスで終わることもあり、月にマイナスになることは全くありませんでした。
今は会社員になり辞めてしまいましたが、あの時に培った考え方は何かと役に立っています。
本記事では、かつてパチプロをやっていた私の視点から「資産運用に利用できるパチプロの考え方」を解説していきます。
パチプロやったことがない人にも分かりやすく解説します!
【結論】パチプロの考え方は資産運用向き
パチプロを辞め、今は数百万円ほどの少額でほそぼそと資産運用をしています。
少ない金額の投資ではありますが、パチプロ時代の考え方が投資に活かされていると感じます。
- 期待値(理論値)を積む長期目線の考え方
- よく分からない投資はしない
- 常に情報収集を怠らない
- 自分の感情を優先しない(熱くならない)
- メンタルと忍耐力が強い
①期待値を積む長期目線の考え方
出た!期待値!パチプロって「キタイチキタイチ」ってギャンブルの癖に理論あるように言って!
実際、期待値という考え方は確かに存在します。
期待値(キタイチ)とは…
この台を打てば、理論的には勝つことができる予測の収支
期待値が分かると台を打つ前に「大体5000円くらい勝ちそうだな」と収支予測を立てることが可能になります。
予測は予測でしょ?「勘」と何が違うの?
勘には根拠がなく、期待値には根拠があります。
簡単な例として、「じゃんけん」が期待値を理解するには分かりやすいです。
「じゃんけん」で期待値を知る
勝ち負けを決するじゃんけん(あいこはなし)の場合、自分が勝つ確率、負ける確率は50%です。
勝つか負けるかの勝負。勝率は50%。
勝率50%なので、理論上は10戦すれば5勝5敗、100戦すれば50勝50敗、1000戦すれば500勝500敗になるはずです。
実際には10戦した時点で8勝2敗になったり、場合によっては0勝10敗のこともあるでしょう。
しかし、理論的には勝率は50%なため、じゃんけんの対戦回数を増やせば増やすほど勝率は50%に収束します。
- 100戦すれば、30勝70敗(勝率30%)
- 1000戦すれば、400勝600敗(勝率40%)
- 10000戦すれば、4999勝5001敗(勝率49.99%)
- n戦すれば、勝率は限りなく50%に(勝率49.9999…%)
対戦数を増やせば、理論上の勝率50%に収束していく。 次に金銭のやり取りの条件を増やしてみましょう。
パターン①
自分が勝ったら相手から200円もらえる
自分が負けたら相手に100円払う
パターン②
自分が勝ったら相手から100円もらえる
自分が負けたら相手に100円払う
パターン③
自分が勝ったら相手から100円もらえる
自分が負けたら相手に200円払う
こんなのパターン①が良いに決まってるじゃん!
そうですね、これこそが期待値と呼ばれるものです。
パターン①
自分が勝ったら相手から200円もらえる
自分が負けたら相手に100円払う
パターン①の期待値=(200−100)÷2=50円
パターン②
自分が勝ったら相手から100円もらえる
自分が負けたら相手に100円払う
パターン②の期待値=(100−100)÷2=0円
パターン③
自分が勝ったら相手から100円もらえる
自分が負けたら相手に200円払う
パターン③の期待値=(100−200)÷2=-50円
たとえ勝率50%の勝負だとしても、理論的には毎回50円勝てるパターン①か50円負けるパターン③なら、パターン①の方が良いに決まってますよね。
パチプロはパターン①のような自分にとって条件の良い台を選んで打つことができます。
期待値がプラスの台を売っていれば、月末には…遅くとも年間通せばほぼ必ず期待値通りの収支になることが分かっているからです。
実際、期待値は3万円しか積んでいないのに10万負ける日も逆に10万勝つ日もあります。
それを繰り返していくと期待値通りの収支におちつきます。
良い条件の台をどうやって選ぶかが気になるけど…とりあえず期待値は何かってことは理解したよ!
②よく分からない投資はしない
期待値の仕組みはよく理解頂けたかと思います。 パチプロはこの仕組みをよく理解しているからこそ、「へたな台」を打ちません。
へたな台って?
- 期待値が1時間打って100円の台
- 高設定か判別が難しい台
- 途中まで回転数が良かったのに途中から悪くなった台
- まだ情報が出ていない新台
パチプロは根拠のある数字(期待値や回転数、設定)に忠実で確証が得られない台に対しては、とことん自分の感情を押し殺すことができます。
自分だったらつい熱くなっちゃうもんなぁ…って?
そういう意味ではパチスロ好きな人は意外とパチプロには向かないのかもしれませんね…
これは資産運用においても同じで、自分がよく理解していないのに金融商品を購入することは失敗の下になります。
営業マンの言われるがままに、ネットやYoutubeで見た情報だけを信じません。
見聞きした情報を自分で調べて、納得した上でなお自分の余裕資金で投資可能かを判断する必要があります。
③常に情報収集を怠らない
パチプロは常に情報収集を怠りません。パチプロには、自分と同じようなパチプロがわんさかいます。
それこそ同じ地域の同じホール内に敵とも言える同業者がいるのが当たり前です。
まさにパチプロ同士の食い合いだね!
その食い合いに勝つには常に最新情報を掴んで置く必要があるのです。
パチプロの主な勝ち方
- 回転数の良い台(回る台)を打つ
- 高設定のスロットを打つ
- 天井(必ず当たる回転数)に近い台を探して打つ
例えば、少し前(2021年)に「鉄拳4 デビルver」というスロットが登場しました。
画像引用:DMMぱちタウン
この台、天井が最大756Gあり、仮にこの天井まで打ってしまった場合、投資は約2万円もかかってしまいます。
しかし、この台556Gで当たる時もあり、556Gで当たってRUSH(当たりが連続するモード)に入らなければ次回は180G付近で必ず当たるという仕様になっています。
180Gなら投資はわずか3000円で済みます。ここで台を拾えば、期待値にして約5000円以上です。
開始 | 初当たり | 5.0等価 | 5.6現金 | 出玉率 |
---|---|---|---|---|
0G | 1/177.5 | 6219円 | 5172円 | 128.9% |
50G | 1/128.5 | 7015円 | 5988円 | 138.2% |
100G | 1/79.1 | 7816円 | 6809円 | 151.5% |
150G | 1/29.4 | 8622円 | 7635円 | 171.9% |
台が出た当時は、皆この情報を知らずに556Gで当たってRUSHに入らずに台を捨ててく人ばかりでした。
当時はこの台を何度もハイエナ(おいしい所だけを狙って打つ)をしていました(笑)
この台、RUSHに入ると期待獲得枚数が約1600枚だったため、完走(RUSH上限獲得枚数に達すること)することもありました。
完走すると+2000枚、メダル1枚20円換算で約40000円になります。投資3000円に対して、40000円は当時あまりにも美味しすぎました。
当時いきつけのホールでこの情報を知っていた私ともう一人のパチプロで競っていたのは良い思い出です。
④自分の感情を優先しない
バチプロはこうした「勝てる台」や情報、理論(鉄則)を知っているため、自分の感情を優先することがありません。
- 天井スルー(RUSHに入らず単発)したけど、もう少し打ったら当たりそう…
- 回転数悪くなったけど、これだけ回したんだからそろそろ当たるはずだ…
- 期待値関係ないけど、新台だし情報収集のために打ってみよう(本当は打ちたいだけ)
- 他に打てそうな台ないし、少しなら暇つぶしに…
- 狙ってる台が空きそうだから、期待値関係ないけど近くで打ってるか…
本当のパチプロであれば、こうした感情や気の緩みを抑えて真に自分が打つべき台だけを見据えることができます。
資産運用や投資においても同じで、「もう少し我慢したら値が上がりそう…」という自分の思惑は根拠がありません。
必ず上昇するという確証が得られない限りは損切りするべきなのです。
画像引用:みんなのFX「FX取引の損切りの仕方と注意点|適切なタイミングはいつ?」
自分が決めたルールで損切りできずにずるずる我慢して結局大きなマイナスで終わるのはよくあることです。
ちなみにギャンブラーは熱くなりやすいです。
⑤メンタルと忍耐力が強い
パチプロはメンタルと忍耐力が強くなければ、続きません。また意外にもパチプロはよく歩きます。
多い日には1日1万歩を超えるような日も…
は?パチンコかスロット打ってるだけでしょ?
その打てる台を見つけるまでが大変なんですよ。
パチプロの行動は「良い台の見つけ方」によって大きく変わります。
- 高設定台を引いた時
▶トイレに行く時間も惜しいくらい、座り続けてとにかく1日中止閉店まで打ち続ける - 回転数の良い台を見つけた時
▶これもとにかく1日中、座り続けて打ち続ける - 台のハイエナ
▶とにかく期待値の高く美味しい台を探し続ける。やめそうな人を見つける
基本的に①や②は滅多にありません。お店側もビジネスなので高設定の台や回る台を入れるのは月1〜2回あればいいくらいです。
例えば、7のつく日とかゾロ目の日とか、パチンコ店から告知されるわけではありませんが、店側からそれとない示唆があります。
※店外ののぼり旗がいつもと違って虹色になっている、◯周年を凄い推してくるなど…
逆に言えば、それ以外は③の歩いて稼ぐしかありません。
ハイエナ台を見つけるか、やめそうな人に狙いを定めて気づかれないようにひっそりと潜む…やってることは乞食と同じです。
場合によって同じホール内を何回もぐるぐる歩く※ので店員に白い目で見られることも…
※やり過ぎ注意
パチプロの生活を知らない人は以下の動画が参考になります。
これは結構メンタルに来ます。座れて台が打てると休めますが、打てる台がないといつまでも歩き続けないといけません。
1日歩き続けて1台打てた日があったかみたいな時もあるので、これに耐えられないと厳しい世界です。
資産運用であれば、むしろここまでのメンタルや忍耐力は必要ありません。ネットでポチポチして、あとは積み立てしたり良いタイミングで売却するだけです。
必要なのは、仮にマイナスになった時に焦らず冷静に対処できるかですね
- 長期目線の考え方
- よく分からない投資はしない
- 情報収集を怠らない
- 感情より理論、数字
- メンタル、忍耐力が強い
【リスク別】パチプロに向いている投資方法3選
ここまでパチプロがいかに資産運用に向いているかを整理してきました。 ここからはパチプロに向いている投資方法について難易度順に紹介します。
- 【初級】投資信託
▶リスク低、リターン低〜中 - 【中級】株式投資
▶リスク中、リターン低〜高 - 【上級】FX
▶リスク高、リターン高
【初級】投資信託
投資信託は簡単に言うと運用をプロにお任せし、プロが選んだ投資先に分散投資ができる金融商品になります。
投資信託の特徴は投資先をプロが勝手に選んでくれるため、私達自身は投資先についてあまり深く悩まなくても良いということです。
勝手に良い条件の台を見つけてくれるようなイメージですね。
ただし投資信託は、株式投資やFXと比べるとローリスクでありながらローリターンな投資方法です。年リターンが5%もあれば、かなり好成績という投資です。
そのため、パチプロで月数十万稼いでる人が投資信託で同等を稼ぎたければ元手は5000万円は必要です。
基本的には短期ではなく数十年かけて資産を増やしていくイメージです。
- 長期目線で考えられる
- 感情より理論、数字を重視する
例えば、私も投資している「S&P500」は日経平均株価のアメリカ版のようなファンドなのですが、この投資先はいわゆる「設定6のジャグラー」みたいなものです。
画像引用:Trading view
画像引用:DMMぱちタウン
ニューヨーク証券取引所やNASDAQ上場企業の中から選りすぐった約500銘柄の時価総額を元に算出された株価指数の1つ。日本で言う所の日経平均株価。
設定6の台を引いたら、基本的には上がっていくので止めてはいけません。投資信託においても「S&P500」のような好条件の投資先は途中で辞めてはいけません。
また、国の制度である「つみたてNISA」を利用することで投資利益にかかる税金をかからなくすることもできます。
玉やコインを現金に変換すると手数料引かれちゃう(例.4円→3.57円変換)けど、つみたてNISAを使えば手数料がかからなくなるようなイメージですね!
【中級】株式投資
株式投資は簡単に言うと「企業への投資」です。
自分が期待できる企業に自分の持っているお金を投資し、企業の業績がよくなるとそれを株価や配当で還元するような仕組みです。
株式投資で必要になるのは、何よりも「情報」です。狙いを定めた企業の業績や最近の動向、業界全体の動き、株価の細かな動きなど見るべき情報はたくさんあります。
- よく分からない投資はしない
- 情報収集を怠らない
情報を制することが出来れば、今後成長しそうな企業に先んじて投資をしておき、企業が急成長した時に大きな利益を得ることができます。
例えば、「キーエンス」は日本一給料が高い企業かつ高い利益率を生む大企業ですが、10数年前の株価は今の10分の1程度でした。
急成長する前の株価が5,000円ほどで、現時点(2023年11月)の株価が約60,000円なので12倍に成長しています。
当時10万円投資していれば、10年後には120万円になっています。とはいえ、良い企業を見つけるためにはパチプロが行う情報収集に比べて、はるかに膨大な情報量を処理する必要があります。
誰かが期待値を算出してくれるわけでもないため、信じられるのは自分が得た知識と最新の情報だけです。
【上級】FX
上級編になるのはFXです。FXとは「外貨の取引を行うこと」を指します。FXは「Foreign(外国の) eXchange(交換する/両替する)」の略称です。
画像引用:auじぶん銀行「FXのしくみ」
基本的には、1円単位の上がった下がったで損益が変わるので、紹介した中でも最も短期決戦と言っても良いでしょう。
- よく分からない投資はしない
- 情報収集を怠らない
- 感情より理論、数字
- メンタル、忍耐力が強い
FXで重要なのは、情報収集を常に怠らず自分のセオリー(法則)からはみ出る行動は絶対にしないということです。
マイナスになったから取り返そうと我慢していると、さらにマイナスになる…負けが込んだパチンカスのような思考だとFXはギャンブルになってしまいます。
以下のようなチャートの値動きから分析するテクニカル分析やニュースや経済指標で分析するファンダメンタル分析について勉強する必要があります。
パチプロよりはるかに高難易度の投資です。
しかし、自分のセオリ―(高確率でプラスになる)を確立し、感情より理論・数値を優先させることが出来れば短期な大きな利益を生むことができる投資でもあります。
FXの概要については以下の記事でより詳しく解説しています。
まとめ
パチプロの考え方がパチプロに向いている理由と、おすすめの投資について紹介しました。
- 期待値(理論値)を積む長期目線の考え方
- よく分からない投資はしない
- 常に情報収集を怠らない
- 自分の感情を優先しない(熱くならない)
- メンタルと忍耐力が強い
- 【初級】投資信託
▶リスク低、リターン低〜中 - 【中級】株式投資
▶リスク中、リターン低〜高 - 【上級】FX
▶リスク高、リターン高
パチプロをやったことがない人からすると、ただのギャンブルの延長のようなイメージがあるかもしれません。
しかし期待値歌道の地道な努力と情報収集能力のあるパチプロであれば、むしろ資産運用は歩かなくても良いし、変な目で見られる必要もないので楽だと思います。
パチプロの考え方は資産運用でもかなりためになることがお分かりいただけたのではないでしょうか?