- FIREを目指しているが不安になってきた…
- 最近FIREを卒業した人の記事を見た…
- 自分がなぜFIREしたいのか分からなくなってきた…
実際、FIREって幸せなの?
もちろん!本当の自由を手に入れられる「FIRE」は幸せの絶頂!と言いたいところですが…
FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的自立早期退職)とは
若いうちに十分な貯蓄と投資を行い、 早期に退職することを目指す考え方。
FIREは経済的自立により、無理に働かなくてもよく悠々自適に自分の好きなことを好きなだけできるように思えます。
一見、人生の華、最終地点のようにも思えますが、実はFIREした人がその生活に耐えきれず再び社会人に戻ったという例もあるようです。
今回は様々な媒体を用いて、実際にFIREした人の『肯定意見』『否定意見』を参考にしながら「FIREが幸せか否か、やめたほうがいいのか」を考察していきます。
FIREを目指す者として、なんとか「FIREは幸せだ!」と証明したい!
FIRE をしない方がいい理由
FIREが幸せかどうかを議論する前に、そもそもFIREをしない(目指さない)方がいい理由についてまとめていきましょう。
FIREをしない方がいい理由は大きく分けて以下の5つです。
- 達成までのハードルが高い
- FIREを達成したあとは暇になる
- 怠惰な生活に慣れてモチベが上がらない
- 達成した後に将来が不安定になる
- 社会的な帰属意識から孤独感に苛まれる
1つずつ紹介します!
①達成までのハードルが高い
FIREを目指すことは非常に険しくハードルの高い目標だと認識する必要があります。
FIREはどのくらい貯蓄できれば達成したと言えるの?
自分の年間支出の25倍の金額を貯蓄できたらFIRE達成したと言えるでしょう。
例: 年間支出200万円×25倍=4000万円
4000万円を年利5%で投資を回すことができれば、年間200万円になります。
ここまででお分かり頂けたかと思いますが、FIREを目指す前には「自分の年間支出」を把握する必要があります。
- 年間支出/収入状況の把握(家計簿の記録)
- 年間支出の節約
- 入金力/収入UPのための副業等
- ①②の徹底
①フェーズですが、ここでは「家計簿」をつけて自分の資産状況の管理をします。
FIRE達成の関門になるのが①②です。例えば先ほどの4000万円を貯蓄するためには、1〜2年では到底足りません。
例えば、収入-支出を差し引いて年間100万円を貯蓄できたとすれば単純に40年かかります。
FIREはどのくらい貯蓄できれば達成したと言えるの?
仮に20歳から貯蓄を始めて、4000万円を貯蓄するためにかかる年数を年間貯蓄別でまとめてみました!
年間貯蓄額 | 定期預金の場合(年利0%計算) | 資産運用した場合(年利5%計算) |
100万 | 40年間 | 22年 |
150万 | 26.6年間 | 17年 |
200万 | 20年間 | 14年 |
250万 | 16年間 | 11.8年 |
300万 | 13.3年間 | 10.2年 |
350万 | 11.4年間 | 9.1年 |
400万 | 10年間 | 8.2年 |
450万 | 8.8年間 | 7.5年 |
500万 | 8年間 | 6.8年 |
4000万の壁…きつい…
さらに年間支出は人によって異なります。家族ができれば教育費等で支出はさらに増えます。
この途方もない壁を目の当たりにし、節約や副業を精一杯頑張っている時にふと思うのです…
あれ…何のためにこんなに頑張ってるんだっけ….?
FIREを達成するまでに節約したり、副業によってスキルを身につけることは確実に自分の将来に役立ちます。
しかし、過度な支出制限は本来若いからこそしかできない経験を閉じてしまう可能性があるのです。
FIREを目指さないほうがいい理由は「お金を使う喜び」を失う可能性があるからでしょう。
お金を使う喜び?
旅行や趣味などお金を出せば手が出せるのに我慢してること、ありませんか?
はっ…新しい肉焼きセットが欲しかったけど我慢してる…
②FIREを達成したあとは暇になる
FIREを達成した後、1ヶ月程度は仕事のない自由な暮らしを楽しめますが段々と飽きてきます。親しい友人や恋人は仕事ですし、1人で楽しめるゲームやカラオケも飽きてくる…
そうなると段々と「人の役に立ちたい」というか自己承認欲求を満たしたくなります。
仕事こんなに嫌なのにぃ〜
嫌いな仕事は嫌いなままだと思いますが、基本的に人間は仕事(役割)があったほうが充実します。
また暇になるとあれこれネガティブなことを考えやすくなるようです。
実際にFIREした人でも、あえてスケジュールを詰め込み、「忙しくてしている人」は多いようです。
私も大学在学中に1年間休学しましたが、その時はYouTubeの投稿や資格勉強など「何かしてないと落ち着かない」状態になりました。
もちろんFIRE後にやりたいことがある人は別物で、暇を感じるよりも先に無数のやりたいことがあってそこにとことん向き合うはずです。
FIRE後にやりたいことが明確じゃないと暇になる?
そうですね、単純に「今の仕事を辞めたいからFIREを目指す」などの現実逃避型のFIREなら転職して自分に合う仕事を探すことの方が重要な気がします。
③怠惰な生活に慣れてモチベが上がらない
FIRE生活で暇になるのは勿論、単純に「生活の質」が落ちるという理由も考えられます。例えば、FIRE後の生活が以下になったらどうでしょうか。
06:00 起床
07:00 出発
08:00 出勤
09:00 仕事会社
18:00 仕事終わり
19:00 帰宅
20:00 夕ご飯/お風呂
21:00 自由時間
22:00 就寝
09:00 起床(起きる時間はバラバラ)
11:00 スマホいじり
12:00 お昼ごはん
13:00 ゲーム
15:00 昼寝
16:00 映画・アニメ鑑賞
18:00 夕ご飯
19:00 お風呂など
20:00 ゲーム
22:00 スマホいじり
24:00 就寝
仕事がある時とFIRE後の生活では「質」という面において大きな差があります。
もちろんFIRE後の生活には個人差がありますが、どちらせよ「徹底した自己管理」ができる人じゃないと自堕落な生活になってしまう可能性があります。
前日や1週間単位でのスケジュールを組んでおけば目的がはっきりしますね!
自由なスケジュールを組むことって決められた仕事をこなすことより、結構難しかったりします。
真っ白い手帳に「何でもしていいから予定埋めて」と言われても困りますよね。
そういう意味ではFIREに向いている人は「想像力があり、常に考え続けられる人」と言えるのかもしれません。
④達成した後に将来が不安定になる
資産をいくら残してFIREするかにもよりますが、将来に絶対はないので、その時はうまく行っていてもFIRE後に急に風向きが変わるということはよくあることです。
- FIRE前は安定した収入があったのに情勢が落ち込んで不安定になった
- 堅実な投資を行っていたのに、FIREして気が抜けたのか判断を誤って資産が半減した
- 子どもができて今の資産では教育費等を賄えないことに気づいた
上記のようなお話はよく聞きます。あとは年金や社会保険など、国の制度がガラッと変わると、負担(費用)も増えて資産が足りなくなるケースも考えられます。
とはいえ、これはあくまで極端な事例です。
今ある資産だけで完全にFIREするのではなく、副業などにより安定した収入を得つつFIREする「サイドFIRE」という手もあります。
FIREすること自体、リスクがあることなので将来が不安定になることは承知の上ですよね!
⑤社会的な帰属意識から孤独感に苛まれる
FIRE後の最大の敵は、もしかしたらお金の問題よりも「孤独感」なのかもしれません。
極端な言い方をするとFIREをする人は「稀」な存在であり、FIREによって仕事から解放から「どの組織にも属さないことができる」ようになります。
しかし、幸せを示す尺度には収入や生活の質、健康状態などの他に「帰属意識」が大きな要因となっており、帰属意識×幸福度に関する研究も多く見られています。
帰属意識とは…
組織や集団の一員であるという意識から生み出される感覚や忠誠心。
- 家族や国家といった組織階層の違いによって帰属意識が幸福感に与える影響の大きさが異なる
- 家族や地域への共同体意識が強い人ほど幸福感をより感じやすい
- 誰かから「理解されている」「共感されている」など他者との協同が高い人は幸福度の水準も高い
でもこの研究って「帰属意識が高い人なら」って前提じゃないの?孤独に強い人も中にはいるでしょ?
むしろ「1人の方が好き、充実する」人もいるでしょうね。問題は、FIREした後に自分の帰属意識の高さに気づくパターンです。
本当は組織やコミュニティに属していたい欲の強い人が、現実逃避的にFIREをしてしまうことで、その欲を満たすことができず、孤独感→負のオーラ→社会復帰したいと心変わりするケースは考えられます。
FIREに対する意見
ここまではFIREをしない方がいい理由について考えてきました。ここからは私自身の考えだけでなく、他の人の意見も聞いてみたいと思います。
今回はYoutube上で「FIREは幸せか?」というテーマで動画を挙げていた「宋世羅の羅針盤ちゃんねる」さんの視聴者さんのコメント欄からいくつか参考になるものをピックアップしてみました。
1人で考えるより、みんなの意見を聞いた方が参考になりますよね。
FIRE肯定意見
自分は競争が苦手でおっとりしてるので仕事が幸せじゃなかった…。
映画館行ったりカフェで読書したり自然と触れあってる時間が至福の時間です。 たまに生活サイクル乱れてあえて早朝バイトする時もありましたが、やはり仕事しない時間が幸せです。
在米30年、今年1月に会社を引退し、老後を充実させる為、毎日YouTubeで多分野にわたって勉強中。もっと早くFIREを知っていたら…と思います。FIREでもFIREでなくても、”自分発見、生きる目的”が自分の中にしっかりある方達は、幸せを感じるのだと思います :)
働くor働かないの選択ができるのがFIREの強みだと思う
働かない選択をして飽きたら働けばいい
FIREの一番の価値は、2度目の人生を楽しめることです。40歳までで1度目の人生を終え、強くてニューゲームで、また同じゲームを始めるも良し。お金はもう十分にあるから、資本主義社会に背を向けて好きに生きるも良し、って感じです。
FIRE達成者の本読めば分かると思うけど、お金の問題をクリアーして初めて自分のやりたいことが出来るって事なんですよね
長年やりたかった仕事をfireして専念できるなら幸せだとおもう。
FIRE否定意見
正直、FIREして何するかって難しい。今の趣味も毎日やったら飽きる。
人生とは暇つぶし。仕事は暇つぶしネタの最も大きなものだからそれを失ったとき、代わりになるものはそうそう出てこないだろう。
自分は親の財産の不労所得があるので、仕事やめても生きていけるが、別にやめたいとも思わない。やめたら何十年も何すりゃいいか分からない(笑)
いつでもやめれる状態で働くのが一番
実際に仕事辞めるかは別として、「仕事を辞めても生きていける」状態になることに価値があると思う。 趣味に生きるもよし、転職や起業でやりたい仕事にチャレンジするもよし、今の会社で周りの目を気にせず伸び伸び働くもよし。
FIREする人がもっと増えて、FIREした人のコミュニティーができれば話は変わってくると思う。
楽しいことって日々の束縛やストレスから解放されることでより一層味わえてると思う
やっぱ仕事って人生の張りだよね。毎日起床時間も食べるものも着るものも通勤するのも決められているから人間活動ができる気がする。
中立意見
34でFIREして半年経過しましたが、金には困らないし自由で幸せだけど、 生活リズム崩れてだらだらしちゃうし、若干社会からの疎外感じてる時期だからすごく染みる動画でした。
47歳でFIREしました。貯金と投資で資金を稼ぎサラリーマンを辞めました。 確かに一年目は、開放感によって日々が楽しくてしょうがなくなりますが、それを過ぎるとそういった日々が当たり前になり、FIREのありがたみが感じられなくなりました。。今更サラリーマンには戻れないので、トレーダーとしてそれなりのプレッシャーを自分でかけて生活していますが、何もする事が無くなったら地獄かもしれませんね。
FIRE目指している時が一番ワクワクするんだろうな。 そしていざFIREしてしまうと資産を死守するために、人生ディフェンス一辺倒になるのが怖い
今の日本で流行ってるFIREは「仕事をしてはならない」ってなるから苦痛なんじゃ 経済的自由なんだから好きに仕事したって自由よ
まとめると…
- FIRE は「FIRE」するまでが楽しい
- FIREは『仕事を』を辞められる選択肢と余裕を持てる所に強みがある
- FIREは本当にやりたいことを自分で選択して始めるための手段にしか過ぎない
まとめてみて分かったことはFIREは目的ではなく手段ということ。
RPGで言えば、魔王を倒す目的(人による)のために勇者の剣(FIRE)という最強の装備を得るようなものです。
FIREをした後の目的や自分が成し遂げたいことがないと、数カ月は仕事を辞められた幸福感を感じられますが、その後は自分が何をしたいのか露頭に迷うことになります。
現在FIREを目指している人は「FIRE後の生活」をこれまで以上に想像する力が必要ですね。