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「20代で得た知見」は20代に刺さるのか?【読書感想】

2020年9月に発売以降、大反響を得て20万部を突破した「20代で得た知見」…

ハナシカ

ずいぶん売れてるから興味本位で買ってしまった…

こちらの本を読了しましたので、20代前半の私の立場から、著者Fさんの書いた「20代で得た知見」が心に刺さったのかどうかをお話します。

「20代で得た知見」とは?

著者のFさんは、著作に『いつか別れる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』を持つ、10代・20代から圧倒的な支持を得ている作家さんです。

Fさんは現在Twitterで23万人(2022年5月時点)のフォロワーがおり、Twitter上では140字以内で数々のエッセイを公開しています。

1989年生まれ33歳(2022年時点)と思ったより若い印象です。

F(@No_001_Bxtxh)さんのTwitterアカウントはこちら

「20代で得た知見」はそんなFさんが「20代のうちに知っておいた方が良いことは何ですか?」と身分も立場も異なる数百人の方に訊ねた上で書き上げた183個のエッセイが収録されている本です。

「20代で得た知見」を読んで欲しい人として、FさんはTwitter上に「こんな人に向けて書いたよ」ということをツイートしてくれています。

ハナシカ

結構な詩的なイメージですね。

読んだ感想(20代前半男性)

「若いうちにたくさん遊んでおきな!」とお酒の席で語ってくれた40~50代の社会人の皆さんの顔を思い出しました。

20代の自分にとっては、「そういうものなんだろうなぁ…」と思う反面、これからの人生で苦しいことや耐え難い経験をした時に初めてそういえば…と思い出しそうです。

私自身、「20代で得た知見」というタイトルから「20代のうちにしておくべきこと」のようなビジネス書・自己啓発系の本を想像していましたが、内容的には20代を振り返った大人達の後悔や淡い経験が183個綴られているという印象です。

とはいえ、恋愛での失敗や仕事での苦難など経験豊富な20代にとっては「まさに今そんな状況なんだよ…」と共感してしまうようなシーンがエッセイとして描かれています。

また、「~かもしれない」「~のようです」「~の方が良い」など淡く表現されていることで断定はしないけれども、20代を超えた先輩方が優しく情緒的な話し方で語りかけてくるような情景が思い浮かびました。

ビジネスに使えるような論理的な思考や客観的なデータがあるわけではないので、仕事やビジネスに使えるというより恋愛の考え方や人生観に影響を与えてくれそうな本になっています。

そのため、「筆者の持つ知識や経験を学んでやろう」という意識でこの本を買うとイメージと異なる場合があります。そこは注意が必要です。

この本を手に取る前に

冒頭でお話した通り、この本は筆者であるFさんが「20代の内に知っておいた方が良いことは何ですか?」と身分も立場も異なる数百人の方に聞いた結果と自分の経験を合わせて綴ったエッセイです。

彼らの言葉は20代という10年間を生き、その10年を振り返ったからこそ生まれたものかもしれません。そうだとすると、今20代を生きる自分にとってはその感情が分からない、そのシーンに共感できない場合もあります。

だからこそ、Fさんは本書の途中で「このリストの全てを疑え」という言葉を入れており、本書に書かれていることの全てを信用してはならないという中間の立ち位置を取っています。

もしこの本をもう一度読み返すのであれば、

  • 飲み会の席で酔いがまわった10~20歳上の上司の話を聞くような
  • 取引先の社長の話をウンウン頷きながら聞くような
  • 「俺が20代の頃はな…」と昔話に花を咲かせる父親の言葉を聞くような
  • 恋愛経験豊富だったと豪語するスナックのママの話を聞くような

そんなスタンスで私は読みたいと思いました。

「聞きたくない話」のような例え方をしましたが、彼らの言葉はその時はピンと来なくても、自分が同じような経験をしたときにハッと気づかされるようなそんな気がしています。

興味深いと思った3つのエッセイ

たくさん紹介しても読む楽しみがなくなってしまいますので、興味深いと思った一文を3つ紹介します。

好きってなに?

言葉で分かりあうより、言葉にならぬ瞬間にふたりを閉じ込めてしまう方が、遥かに複雑で、偶然的で、印象深く、ふたりはどうしようもないからです。

「20代で得た知見」F 角川書店 34ページより一部抜粋

確かに言葉で「好き好き大好き」と伝えるよりも、それがお互いに伝わる時間の流れや空間があった方が二人の記憶に残ると思います。

でもそんなにうまくいくかなぁ… 「言ってくれなきゃ分かんないよ!」なんてことにならなきゃいいけど…と思ったエッセイです。

※鼻にさわるかもしれませんが、安心してください。この記事の筆者(私)は恋愛経験がだいぶ薄いので、映画やドラマの知識でしか恋愛を語れません。

「不安の九割は実現しない」という説に対して

「不安の九割は実現しない」は到底承認し難い、無責任な説です。起こるかもしれないと思ったことは、すべて起こる。そう思っておいた方がよい。

「20代で得た知見」F 角川書店 77ページより一部抜粋

「願ったことしか叶わないという言葉もよく聞きます。それなのに、不安に思ったことだけは9割実現しないというのは、ずいぶん都合の良い話だと思っていました。

でも「不安の九割は実現しない」という提言の元はシンシナシティ大学で調べられた研究結果に基づくものらしいです。 心理学者のロバート・リーヒ博士が本まで出してそう言っておられるわけですから、どっちを信用したらよいものやら…

孤高の宝石

ベストセラーなんか人に読ませておけばよろしい。まだ誰も読んだことのない本にたくさん触れ、誰も気づいていないことを読み抜けばよい。

「20代で得た知見」F 角川書店 137ページより一部抜粋

たくさん売れている本だなぁと思って「20代で得た知見」を手に取った私にとっては、その浅はかさを見抜かれているようで心が痛い文章でした。

まとめ

「20代で得た知見」を紹介しました。

普段、仕事やブログの記事で論理的な思考でいるせいか、「20代で得た知見」は主観的な表現が多く新鮮でした。

私自身がこの本をもう一度読むときは、「物思いにふける時」になると思います。 ご興味があれば是非手に取ってお読みください。

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