- 投資信託をやとうと思っているがちゃんと稼げるか心配…
- 投資信託の稼げる選び方を教えて欲しい…
- 今投資信託をやっているがマイナスになっている…
最初に言っておきます!投資信託は「すぐ」に稼げるものではありません!
高いリターンが得られる商品もありますが、手数料と引き換えになることも多いため、投資信託の基本を知っておくことが重要です!
著者の紹介
・投資信託歴3年
・つみたてNISA満額投資中
・個別株や仮想通貨も試したが最終的には投資信託に着地
大前提として投資信託は稼げるのか?について解説した後、投資信託の基本や選び方についてご紹介します。
投資信託は稼げるのか?
結論から言うと条件付きで「稼げます」。その条件とは購入した商品を長期間保有して手放さないことです。投資信託の大きな特徴は「分散投資」ができ、かつ安定的なリターンが得られることです。
投資信託協会が全国の20~79歳を対象とした約20,000サンプルによる「投資信託に関するアンケート調査報告書【2022年】」によれば以下のデータが見て取れます。
①投資信託購入時の重要視点(重複回答あり)
現在投資信託を保有しているが投資信託に期待していることは以下のようです。
- 値上がりへの期待(36.5%)
- 過去の運用実績(31.3%)
- 手数料や運用管理費用の水準 (22.4%)
やはり値上がり(稼げるかどうか)は重要な価値判断になっているようです。
しかし、投資信託を保有している人に対し、「投資信託の優れている点はどこか?」という質問に対しては意外な回答結果が得られています。
②投資信託の優れている点はどこか?(重複回答あり)
- 少額でも分散投資ができる(51.1%)
- 専門知識や時間がなくても投資ができる(32.5%)
- 積立投資ができる(31.0%)
あれ?重要視している点は「値上がりへの期待」だったのに、優れているのは分散投資ができること?
1つ面白い点に気が付きましたね!逆に「投資信託で不満を感じる部分」にも着目してみましょう!
③投資信託の不満な点はどこか?(重複回答あり)
- リターンが低い(25.7%)
- 手数料が比較的高い(25.6%)
- 仕組みや運用手法がわかりにくい(23.6%)
これって投資信託はリターンが低くて手数料が高いから「稼げない」ってこと?
購入当初の期待度よりはリターンが得られていないようです。
しかし、投資信託の優れているところは「分散投資」でコツコツ積み立てできる所です。
投資信託に対する誤解
短期間で高いリターンを得ることができる
×短期で稼げる
投資信託に対する正しい理解
長期目線で分散投資を行い、コツコツ利益を積み上げていくことができる
〇長期で稼げる
投資信託のおさらい
そもそも投資信託とは何でしょうか。
投資信託とは簡単に言うと「個別株の盛り合わせセット」です。また、この盛り合わせの内容は投資の運用会社が確かな実績を保持できるように私たちの代わりに運用してくれます。
そのため、投資信託は個別株投資のように私たちが1つ1つの株に対し「どれにしようかな?」と迷うことなく運用会社に任せられる投資商品なのです。
投資の知識がなくても運用のプロに任せられるなら安心だね!
そうは言っても投資信託にも何十何百種類あります。
投資信託は私たちの「選び方」も重要です。
投資信託で稼げない4つの理由
投資信託協会のアンケート結果によれば、投資信託の不満な点として「リターンが低い」という点が挙げられていました。
しかし、投資信託は長期で積み立てすることが将来的には大きな資産を築くことができます。ここでは投資信託で稼げない理由を4つ紹介します。
- 税金が高い、すぐ売ってしまう
- 目標が高すぎる
- 手数料が高い
- 短期勝負を挑んでいる
税金が高い、すぐ売ってしまう
個別株への投資でも投資信託の場合でも、日本では株の売却益に対して20.315%の税金が発生します。
所得税 | 15.315% |
住民税 | 5% |
合計 | 20.315% |
例えば、株式投資によって100万円の利益を得たとしても税金で20万円持っていかれてしまうのです。
株式のチャートを少しでも見たことがある人なら、この「20%」がどれだけ大きいか分かるはずです。
こうした耐えがたい税金を防ぐためには、国の制度である「つみたてNISA」「NISA」制度を使って投資信託にかかる税金を「ゼロ(上限)」にすることが必要です。
20.315%という破格の税金を考えると上記制度を使わない手はありません。
目標が高すぎる
投資信託で得られる年リターンは大体何%だと思いますか?
ん〜年10%とか?
年3〜5%確保できれば良い方と思ってください!
投資信託には比較的高いリターンを目指す「アクティブファンド」と市場に合わせた値動きをする「インデックスファンド」の2種類があります。
インデックスファンド
日経平均株価やダウ平均株価など代表される上場企業の株価全体の値動きを表す指標と連動した投資信託。
アクティブファンド
運用のプロにより、特定の指数を上回る高いリターンを目指した投資信託。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
方針 | インデックスに連動する | 高いリターンを目指す |
手数料 | 安い | 高い |
特徴 | ・市場全体への投資 ・安定したリターン | ・テーマ/商品がいくつもある ・プロのスキルが運用成績に左右される |
インデックスファンド、アクティブファンドどちらの場合でも個別株やFXのように1日単位で株価が爆上がりすることはありません。
個別株の値上がり率ランキング
引用:SBI証券(2023/2/17時点のもの)
投資信託の基準価額騰落率(上位)ランキング
引用:SBI証券(2023/2/17時点のもの)
ちなみに「3倍ベア」等書かれていますが、これは『ブルベアファンド』と言って値動きに対して3倍の値動きをすることを意味するファンドです。
値動きが激しくなるため、当然ハイリスクな商品になります。
投資信託に投資し始めたからといって「すぐにドン!と値上がりする」ことはないということは覚えておきましょう。
手数料が高い
高いリターンも得られて手数料も安い投資信託はないの?
市場によりますが極めて少ないため、良い所どりはほぼないと思ってください。
投資信託で高いパフォーマンスを出すということは、運用会社もそれだけ時間と人をかけて調査を行っているということです。
例えば、以下はインデックスファンドとアクティブファンドの手数料の違いです。
S&P500(インデックス) | ひふみプラス(アクティブ) | |
販売手数料 | なし | なし |
信託財産留保額 | 0% | 0% |
信託報酬 | 0.0938% | 1.078% |
信託報酬とは保有額に対して運用会社に払わなければならない年率の手数料です。
例えば100万円を保有していた場合、S&P500なら年間の手数料は938円で済みますが、ひふみプラスでは10,780円の手数料が取られてしまいます。
手数料は商品によって異なります。手数料がなるべく安い商品を選びたいですね!
短期勝負を挑んでいる
投資信託は分散&長期保有で積み上げ式に利益を伸ばしていくことが重要です!
投資信託はFXやデイトレードのように、その日だけで利益を確保するものではありません。月単位で積み立てを行い、数年~数十年単位でコツコツ資産を増やしていきます。
年単位で安定したリターンが得られると複利の効果で長期間になればなるほど含み益も増えていきます。
出たよ!複利!複利って詐欺じゃないの?
複利だから詐欺というわけではなく、単に利益に対する計算方法の違いです。
利益には「単利」と「複利」の2パターンがあります。
単利
単利とは元金だけに対する利子です。例えば100万円を投資して毎年10%のリターンがあった場合、元金100万円の10%:10万円が毎年の利益になります。
運用年 | 元本投資 | 利益(累計) |
1年目 | 100万円 | 10万円 |
2年目 | 100万円 | 20万円 |
3年目 | 100万円 | 30万円 |
4年目 | 100万円 | 40万円 |
5年目 | 100万円 | 50万円 |
複利
複利の場合、その年に得られた利益も元本に再投資します。元本に利益分も乗せるため、単利よりも年々の利益は増えていきます。
運用年 | 元本投資 | 利益(累計) |
1年目 | 100万円 | 10万円 |
2年目 | 110万円 | 21万円 |
3年目 | 121万円 | 33.1万円 |
4年目 | 133.1万円 | 46.41万円 |
5年目 | 146.41万円 | 61.05万円 |
複利による効果が分かったと思いますが、仮に2年目に売却してしまったら、その時点で元本への再投資も終了してしまうのでもったいないのです。
つまり投資信託は「短期」ではなく「長期」勝負です。
初心者はインデックスファンドへの積立一択
結局、投資信託は何に投資すれば良いの?
インデックスファンドへの長期間の積み立て投資が最適解です。
- 手数料がかからない
- つみたてNISAが使える
- 値幅が少なくストレスも少ない
ぎゃあああ!1日で30%も下落してるぅぅ!
インデックスファンドでは1日で大きく下落することはそこまでありません。
インデックスファンドが急落する時は世界的にも大恐慌になっている可能性が高いです。最近だとコロナウィルス拡大時が大きく下落した時ですね。
インデックスへの投資なら市場に準拠するため、値幅が少なく初心者からすれば安心できる製品。
インデックスファンドにも色々種類があるんじゃ…
アメリカ主要株を集めた「S&P500」か全世界の株式を分散させた「全世界株式(オール・カントリー)」がオススメです。
私のポートフォリオは、S&P500と全世界株式(オール・カントリー)のみです。
S&P500とは
ニューヨーク証券取引所やNASDAQ上場企業の中から選りすぐった約500銘柄の時価総額を元に算出された株価指数の1つ。日本で言う所の日経平均株価。
全世界株式(オール・カントリー)
全世界の株式に幅広く投資できるインデックスファンド。現在は約6割が米国株中心に構成されている。
まとめ
- 投資信託は「短期」より「長期」で稼げる(資産形成向き)
- 税金や手数料も考えないと「稼げない」
- 初心者はアクティブファンドよりインデックスファンド
- インデックスファンドなら「S&P500」「全世界株式(オール・カントリー)」がオススメ
投資信託に関わらず、単に「稼げる」「稼げない」で判断するのはよくありません。
まずは基礎知識を学び、自分に合う投資方法か、継続できそうかを考えることが重要です。